| 東京浪漫劇場 > インデックス > 東京湯屋巡礼 > 川嶋湯[浮間] |
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★東京の北端、見事なペンキ絵とタイル絵をもつ銭湯 あちこちでよく名前を聞く「川嶋湯」。東京の北端・北赤羽にある破風づくりの銭湯だという。 少し更新も再開気味なことから、久しぶりに東日暮里の帝国湯あたりに行きたいなぁと思っていると、「行ったことのない銭湯がいい」と相方。私にはそんなのはいくらでもあるが、風呂狂いの相方にいたってはなかなか難しい注文じゃなかろうか。 北赤羽から徒歩と聞いて、川べりの冷たい風の吹く土手なんかを延々歩いてやっと辿り着くイメージが頭を過って躊躇したが、実際の川嶋湯は都営住宅や団地の脇を抜けた小さな商店街の中に、噂に違わぬ立派な構えを誇っていた。外観に感嘆している間にも右から左から、自転車で徒歩で、どんどんお客さんがやってきては暖簾をくぐってゆく。 玄関で迎える宝船のタイル絵を見つつ中に入ると、脱衣場の割合大きなスペースが改装されたフロント式。女湯の暖簾の中は、更に雑然と置かれた家具などで少し狭いが、折上げ格天井、五分割の格子窓など旧き佳き意匠が目に愉しい。旧い建物なのだろうが渋さはなく、壁も白く明るい。壁際にはめられた、旧いさくら錠のロッカーに荷物を入れる。ロッカーは松竹錠のものが中心だが、こことベビーベッドと一体のところだけはさくら錠だ。 浴室の壁際には、かつてのカラン、シャワー跡とみられる台だけが残り、現在使うことができるのは中央と男女湯境の壁際のみ。男女湯境には奥から「胡山」銘の花咲か爺、「章仙」銘の帆掛け船が浮かぶ海辺、「胡山」銘の桃太郎と、三点のタイル絵がある。そのうち、花咲か爺以外の二点は、シャワーの増設によって一部が埋められてしまっているのがなんとも惜しい。 奥の壁についた浴槽の上にもまた、鯛や蛸、飛び魚、河豚、タツノオトシゴなど、海の生き物が所狭しと泳ぐ見事なタイル絵がある。少し色が薄くなってしまっているのが残念だが、何となくじっと見入ってしまう愉しい絵だ。こちらは章仙の銘。 そして、その更に上には中島さんのペンキ絵、平成18年12月21日の作。遠くにはうっすら雪に覆われた山々が連なり、手前には躍動感のある渓谷が描かれている。一方の男湯の富士山は、冠雪していない夏富士をリクエストして描いてもらったのだそう。 大きな浴槽のたっぷりとした湯に肩まで入ると、いかにも「浸かっている」という感じで気分がいい。先日行った某湯は、風呂の種類はたくさんあるのに、どれも浴槽の水位が低めで、なんとなく物足りなかった。 ここ数日は寒さもいよいよ本格的になってきて、夜ともなればしんしんと冷える。ゆったりと温まったあとは、再び寒風のなかを駅まで歩き、赤羽まで戻ると「まるます家」で熱燗を頂いて帰路についたのだった。 |
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