| 東京浪漫劇場 > インデックス > 東京湯屋巡礼 > 第十三回・千代の湯[町屋] |
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★裸婦のガラス絵が迎えてくれる銭湯 小雨がちらちら舞う日曜日、一日を家の中で過ごしていた私は、夕方近くなって、やっぱりどこかに出かけたくなり、いそいそと出かける用意をして町屋へ繰り出した。どうも一日中家の中にこもっているというのが苦手な貧乏性である。 今回は、特に行く銭湯は決めず、銭湯マップも持たず、散歩の途中に見つかるであろうよさそうな銭湯に入るつもりで出発。町屋の駅前には、さほど歩かない範囲でいくつかの銭湯が存在する。 駅前からのびる商店街や、横町をうろうろと散歩した末、選んだのは破風づくりの玄関が立派な「千代の湯」。下足箱を覗くと、少数派のおしどり錠である。しかも表面が青、白、赤に塗り分けられている。コントラストが目を引くレトロ調のデザイン。 脱衣場へ入ってまず目を奪われるのは、脱衣場と浴室を隔てるガラス戸の中央にある裸婦のガラス絵。これは町田忍氏の本で見たことがある(後日、町田氏の著書『ぶらり散策 懐かしの昭和』でそっくりな裸婦のガラス絵を発見したが、別の銭湯のものだった。町田氏は「東郷青児風」とキャプションをつけているが、まさにその通り。この銭湯のオリジナルではなく、このようなガラス絵のパターンがあるのかもしれない)。これだけでもう、「今回は<当たり>だ」と思ってしまう。天井は立派な折り上げ格天井。 浴室のペンキ絵は早川利光氏画のもの。女湯は南紀白浜・円月島。よく見かけるモチーフだが、ここのは船などの人工物が多めに描かれていて愉しい。浴槽はふたつに分かれた定番の形。小さい方は「でんき風呂」になっている。電気風呂はよくある設備だと思うのだが、私はあまり入ったことがなかったので、隣の浴槽から手を入れてみると、予想外にびりっと衝撃が走った。電気風呂って怖! と思ったが、他の利用者はみんな平気な顔で入っている。後からこわごわ入ってみたら、先程のような衝撃はなかった。どうも電気が出てくるところ(?)に手を入れてしまったらしい。 ここのおかみさんは、見かけない顔の私を案じてか怪しんでか、色々と声をかけてくれる。トイレをチェックしに行こうとすると電気のスイッチの場所を教えてくれたり、湯上がりに壜入りの野菜ジュースをの開け方に躊躇していると番台から声をかけて教えてくれたり。そのため、番台式の良さを生かした、初心者でも比較的安心して行ける銭湯と云えるであろう。東郷青児風のガラス絵はなかなか貴重である。 |
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