| 東京浪漫劇場 > インデックス > 東京湯屋巡礼 > 第三回・久保の湯<上十条> |
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★鯉の泳ぐ中庭と季節の寫眞が光る銭湯 突然だが、JRの十条駅が好きだ。御存知の方もいらっしゃるかと思うが、ここには他の近隣のJRの駅ではあまりみられない、素敵な特徴がいくつかある。ひとつは、ホームのすぐ両脇に踏切があること。そしてこの踏切は、頑張ればよじのぼれそうなくらいに近いということ。さらに赤羽寄りの踏切の前後には商店街が大きく口開けているというのもいい。 さて、冒頭から話が逸れそうになったが、今回はそんな踏切の板橋寄りの方からほど近い、久保の湯へと巡礼する。 久保の湯の嬉しいところは、なんと云ってもその営業時間である。25時、すなわち午前1時までやっていてくれるというのは、仕事で帰宅が夜遅くになる人にとっては、とても心強いものだ。近隣の他の銭湯が閉まる時刻になっても、「まだ久保の湯がある」という安心感がある。 さて、そんな久保の湯は、『東京銭湯マップ2002』では「フロント式」に分類されている。が、私はあえて勝手に「逆さ番台式」と書いた。というのも、フロント式の銭湯のように、男女共有の空間がなく、もともと番台があったであろう場所(男湯と女湯の境)に、番台とは逆向きに(玄関の方を向いて)、ご主人のいらっしゃるブースがあるためである。入口の形態は番台式とまったく同じ。このような銭湯はほかにもあるが、番台式でよく云われる「見られている」感がないこと、フロント式のように脱衣場に入ってから「石鹸を忘れた!」などという場合にも、共有スペースに出て行かずに物品をもとめることができることなどから、両者のメリットを兼ね備えた合理的な様式といえるだろう。 前置きが長くなってしまったが、ともかく脱衣場に入る。脱衣場はシンプルだが、ちょうどご主人のいるブースの背面に当たる壁に、いつも一枚の寫眞が飾られている。これがまた季節を感じさせるいい寫眞なのだ。どんなペースで入れ替えられているのかは定かではないが、ある時は入谷の朝顔市、またある時は横浜の夜景…というように、何度か通っていると、前回と違う作品が見られてちょっと嬉しくなる。 浴室は、天井が吹き抜けになっている東京型。これといって特筆すべき点はないが、突き当たりのペンキ絵の作者が不明である。 湯上がりに楽しみたいのは、中庭の池で泳ぐ巨大な鯉。特に夜はじっとしていることが多いが、中庭で鯉が泳ぐ銭湯も少なくなってきている昨今、湯上がりのひとときはぜひ鯉を眺めながらぼんやりと過ごしたいものである。 |
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