| 東京浪漫劇場 > インデックス > 東京湯屋巡礼 > 第十回・六龍鉱泉[池之端] |
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★上野の森の奥にひっそりと建つ温泉の銭湯 都内の銭湯でも、温泉の出るところが少なからずあるらしい。個人的には、銭湯が温泉であるか否かにはさほどこだわらないが、やはり温泉があると聞くと、何となく得をしたような気分になるのが人情というものだ。 そうしたわけで、以前から、上野動物園の近くの「六龍鉱泉」という名前が気になっていた。 初めてここを訪れたのは、この地に住まいを移した最初の夜だった。以来、東京浪漫劇場がスランプで止まろうとも、何度となくここへ通い、銭湯ばかりかコインランドリーの世話にまでなっている。東京浪漫劇場最寄りの銭湯である。 上野の森の裏手で、一応谷根千地区でもある土地柄、付近を散歩した帰りに温泉でひとっ風呂、という感じの利用者が多く暖簾をくぐっていく。そのためか、玄関には「手ぶらで入浴できます」という気軽な貼り紙が。外国人向けのガイドブックにも記載があるようだ。 玄関は破風づくりだが、旧い感じはない。それは内部も同様で、床にしろ建具にしろ、何となく新しい感じできれいである。 脱衣場に入ると、プロペラ型の扇風機が天井からふたつずつどんと下がっている。浴室と脱衣場の間の引戸の上の窓には、「六龍鉱泉」と堂々と磨りガラスで屋号が入っている。広々とした、開放感のある銭湯だ。 男湯と女湯の境には、古めかしい筆文字で、温泉の効能がズラリと書かれている。その数およそ30あまり。東京市衛生試験所発行の証明書の日付は昭和6年とある。この効能を求めてか、レジャー感覚でか、利用者は銭湯にしてはかなり多い。銭湯の経営者の方には悪いが、これまで私が巡ってきた銭湯の中には、あわよくば貸し切り状態になるか、というようなところも少なくなかった。銭湯をすすめる身としてそれを淋しく思う反面、広い浴室に独りきりというのもなかなか愉しいひとときであった。しかし、ここはいつ行ってもある程度混んでいる。やはり温泉が出るところは違うのか……。 浴室のつきあたりの浴槽はふたつに仕切られている定番のもので、いずれも黒褐色の湯が満たされている。広い方は気泡風呂、狭い方は高温の湯である。 ペンキ絵がない代わりに、池のある日本庭園を描いた巨大なタイル絵が浴室の上を彩っている。そのほか、男女湯の境の壁に富士山のような山のあるモザイクタイル。 通い慣れた人や、銭湯巡りの趣味のない人も、レジャー感覚で行く銭湯ということで、残念ながら利用者のマナーの悪さが目立つ。折角の銭湯、やはりお互いにマナーを守って愉しみたいものだ。 追記※2005年冬、フロント式に改装された。 |
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